【えん魔さんの肖像画】


画・京花(5才)

「えんまさん おんなのてき」と悪気無く書いてある。先日のブルドッグショウvol.1の公演タイトルが、5才児の小さな乙女心にも、よほど強烈であったことが伺える。

が異様にでかく、しっぽらしきなにか?がはえている。わざわざ服装を茶色に塗っているのも不自然だ。どうみても「猿」である。彼女のえん魔さんに対するイメージは「猿」なのであろうか? 以前、京花がタントリズムの坂口くんに「たまねぎ」というあだ名を付けた事から思うに、えん魔さんが「猿」に見えるというのもあながち意外なことではないかも知れぬ。

が妙にいやらしく、赤く縁取ってあるところにも着目したい(子供の目はごまかせないのであろう・・・)。なにを意味しているかは各自の判断で。

最初「えんまん」と書いたのを、「まちがえた!」と言って塗りつぶし「えんまん」と書き直した跡が生々しく残っている。書き直さなければ、イジメになってしまう。ことのあろうか5才児にいじめられたとあっては、ファントマを主宰する氏の面目丸つぶれである。書き直してくれてヨカッタ。劇場で真剣に腹筋善之介にダメだししているえん魔氏に、突然カンチョウで奇襲した時は、驚いて誰も口がきけなかった。喜び転げる京花を、えん魔さんが寛容に許してくださったことは、私の記憶に新しい。恐れ(行儀?)を知らぬ、我が子よ、良い子に成長して欲しい。

コチラを見据えるとキチンとしめたネクタイ、これこそまさしくえん魔さんそのもの。いつも視線をそらさず人と話す。逃げ出すことを嫌悪し、相手が5才児であろうと常に臨戦態勢。どんな気さくな日常会話も獣のように隙を狙い、ギャグをかまし、つっこみを入れ、あらゆる情報を集積し、言葉の意図を探り、脳にインプットする。インテリでも
ある。
だらしない事(服装から言葉使いも含め)が嫌いで、本日のような春の陽気の中でも黒トレンチコートを着こみ、感服するほどハードボイルドを愛し、ロマンチック。人使いが荒いようで、面倒見の良いのも人一倍。捨て猫をほっておけない。そんな人である(・・・と私は思う)

・・・にしても、なにもしらない人から見れば、この絵は、ただの表情の乏しいサラリーマンの絵である。ウキー!

長々と失礼いたしました。

2002.5.2 登紀子